白川総裁の「時間を買う」という言葉は、わかりやすい

 EUの通貨不安に、6カ国の中央銀行が協調したことは、この時期国民にとって、好ましい対応であるという共通認識でありましょう。時間を買うという言葉が象徴的です。この時間が買われている間にEUは世界経済を救うためにと自らの行財政にメスを入れなければならないのでしょう。時間は、いつまでも無限に買えないから。今までの世界経済を見るよりずっと身近に感じる今回の世界経済危機です。これだけ深刻に肌で感じるのは、社会に関わりが深くなった年齢からか、はたまた人間の六感なのでしょうか?厳しい現実を生きなければならないのですから真剣に向き合わなければなりません。

 先日元金融庁長官の五味廣文氏の講演を伺いました。その時の内容を報告します。
 ①2008年の世界金融危機は自己規律が全てにおいて働かなかったからと言われます。全てとは、サブプライムローンの性質、証券化のプロセス、債券格付け、デリバティブ(リスク保険)、ハイレバレッジ経営(証券会社は銀行のように規制ない)、銀行によるバックアップライン供与においてであります。
 ②今の金融環境は、リーマンショックは一段落。ストレスチェックもして安定化。アメリカの景気は個人消費で左右するので時間がかかる本格回復、バランスシートの調整が見通しがつかない欧米、EUの債務不安(ソブリンリスク)の新たな要因などから、ドル安ユーロ安、円高は1年は続くだろうと言われます。

 ③経常経費が黒字の日本でいる間に、金融は健全であるから、経済構造改革をスピード感をもって実行することが大事。競争力のあるものを育てること、外国へ進出、外国企業も受け入れ、内需拡大を誘導、良いものをのばす施策、国政ができないのならば地方行政がやる、そして税と社会保障の一体改革は待ったなし。等々これからの日本経済の方向性を示唆されました。

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