第2章 両立は可能か (3)視察せず、レポート提出という方法

もう10年ほど前ですから、地方議会では慣例・慣行が重要でした。慣行は観光へも波及し、とても切ない思い出があります。
何を言いたいか、議会には視察を通して政策立案を磨く調査活動があるわけです。その視察の訪問場所を選定するのも議会運営委員会や常任委員会の正副委員長等にゆだねられます。希望するところを議員が提出する場合もありますが、ほぼ前述のところで決まってしまいます。
当時、こんな会話が聞こえてきました。「前の年に北海道だったから今年は九州か沖縄」??
視察のテーマや目的を絞り、それが日帰りの神奈川でもいいではないかと思ったものです。女性議員の視察は家庭生活との両立を考えれば大変厳しいものですから、その厳しさを背負って出かける以上、大切で将来につながる学習になることを期待していました。
あるとき、知床の世界遺産の視察が決まりましたが、義父の重病と視察選定への不満もあって、視察を欠席させて頂いたことがありました。その代り、議長に申し入れをして、その視察の代替として図書館で世界遺産について調べ学習をしレポート提出をすることで許可を頂きました。
百聞は一見にしかず、視察の重要性は認めるものの、税金の前に、適正な視察になるように、議員らが慣行を見直すことも必要でしょう。特に女性議員が増えれば、視察の方法も変化していくことの配慮も必要です。
きっと未来の地方議会は、異なった方法を導き出すのではと推測します。
いろんな知恵から、両立が可能な方法を模索できると確信しています。

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